せき宮

復刻の器

   

お客様からのご注文のカップ。
久しぶりに作って頂きました。開店以来、間を置きながらもご注文の入る
息の長い器です。
数年ぶりに見ても古さを感じさせない、形、土肌だと改めて思います。
一見地味で華やかさに欠けるようでいて、このぐらいのシンプルさが、他
の器や布や無垢の木などとの相性がよく、出番が多いようです。
長年愛用の器が割れて、また揃えたいと思うお客様の気持ちがわかります。

25年ほど前、高鞍窯に初めて訪ねた時、この器で頂いた美味しいコーヒー、
窓越しの庭の緑がご夫妻の会話と共に思い出されます。

新しいもの、変わらないもの、どちらも愛おしい器たちです。