せき宮

本のご紹介 「四季をいつくしむ花の活け方」 谷匡子著 

   


本をご紹介します。

「四季をいつくしむ花の活け方」
谷匡子著  誠文堂新光社

縁あって挿花家(そうかか)の谷さんに、当店で花活けをして頂いたことがありました。
山を知っている人の花だな、と真っ先に思ったのが最初の印象です。
生まれ育ったのは兵庫県の山合いののどかな町、平泉に似たところと言います。
見慣れた店の庭の木々が谷さんの手を得て、清々しく凛とした早春の景がそこにあり
ました。こんなところも使って下さった、と谷さんの視点に共感を覚え、植物に関わ
る仕事をしていた花好きな私は、お会いする度に花の話は尽きません。

この度、谷さんが本を出されました。
四季折々の美しい花活けと、添えている言葉、文章も詩情に溢れ、味わい深くとても
美しい。実用書としてもよくできており、枝の切り方、水揚げの仕方、活け方をわか
りやすく説明しています。花を活ける知恵が随所に書かれ、目からウロコの納得の内
容です。

活ける場があり、花器があり、それぞれに谷さんとの物語があります。
そして、谷さんのためにと丹精込めて育てられた花農家さんからの花は、絶妙な切り
時を得て活け手の元に届きます。双方の厚い信頼が響き合い、こんなにいい花材が揃
うのはお人柄と実力があってこそと感じ入ります。
花のいのち、その奥にあるものを捉え、まさに四季をいつくしみながら活ける姿勢が
しみじみ伝わってくる一冊です。

15日から当店で扱います。
電話かメールでのご予約も承ります。
店頭渡しのみとなりますので予めご了承ください。
TEL 0191-46-2070
メールはこのHPの「お問合せ」よりお願いいたします。

¥2.000+税