真木テキスタイルスタジオの布の魅力 その4 綿
真木テキスタイルスタジオでは、衣類、インテリア布、バックなど、暮らしにかかわる布製品全般にわたって作っています。まず何から揃えたらよいか、迷ってしまう…と言う方に、お勧めのものをご紹介します。
まず最初の一枚は、タッサーシルクに「綿糸」が入った素材のもの。タッサーシルク50%、綿50%のブラウス、タンクトップがお勧めです。綿が入ったことで、カジュアル感が出ますが、お手入れの扱いが楽なのです。
シルク100%のものは、基本的にアイロン掛けが必要です。とは言え、アイロン掛けが億劫な私が楽しくなるくらい、掛ける前と後では見違えるように仕上がり、掛け心地の良い面白い素材なのです。洗濯後(おうち洗いできるのが、魅力)、乾くとごわごわして硬い感じなのですが、アイロンを掛けるととろっと柔らかくなります。これ程の変化は、作業していてとても楽しいのです。
一方、綿が半分ほど入った布は、このアイロン掛けをしなくても十分です。と私は長年着ていて感じます。綿が入ることで、扱い易くなるのです。干す時のほんの少しの工夫で。普段誰でもしていること、特別なことではありません。洗濯後、形を整えるよう適度に伸ばした後、しわを伸ばすよう両手で挟んでパンパンとたたきます。これだけです。乾いた後の気になるしわがある時は、ピンポイントで霧吹きし、やはりたたくだけで十分です。
ところで、シルク100%のものはアイロン掛けが必要と言いましたが、厳密には、生糸のものに限ります。一口にタッサーシルクと言っても、繭のどこの部位を紡ぐか、或いは紡ぎ方で糸の種類が異なります。蚕が吐いた通り糸が完結している生糸の他、蚕が羽化した後の出殻繭などを真綿にしてから紡いだ糸など様々です。この真綿から紡いだ糸、絹紡糸(けんぼうし)であるカティア、モトゥカシルクと呼ばれる糸からの服は、何度か洗って着ているうちに、セリシンという絹糸に付いた糊(のり)のようなものが取れて柔らかくなります。このような風合いになったら、私はアイロンを掛けずに着ています。とは言え、アイロン掛けした方が美しく仕上がりますので、余裕のある時には是非お試し頂き、違いを感じて頂きたいと思います。
写真はイメージ。まず最初の一枚は、このようなインナーのブラウスがお勧めです。